(写真や地図はクリックすると拡大します) 一覧へ 戻る 花の頁 登山ルート地図
先週の疲れが残っているので、今週はお休みしようと思っていたのに、夫が、「いつ雨になるかわからないので、行ける時に行こう」と誘いをかけてきた。 従順な妻としては、無碍に断ることも出来ず、結局今週も山を歩くことになった。
今回の山は、コメツツジの群落で有名な三嶺。 秋にはこの木が紅葉して美しいと聞く。 時期的に少し早いようだが、2000m近い山ゆえ、山頂周辺の山々の紅葉も期待できる。 お天気の方もまずまずの模様。 だが、問題なのは、アクセス道。 またもや、あの悪名高きR438の酷道を通らねばならない。 道路事情の良い池田ICから大歩危経由だとかなり遠回りとなる。 林道のようなヘアピンカーブの連続の道を思い出しただけでも憂鬱になるが、他に選択肢が考えられないので、ナビさんの指示に従うしかない。
マイカーアクセス
自宅(出発4:45)→(阪神高速・神戸淡路鳴門道・高松道)→板野IC→(県道1)→藍住IC→
→(徳島道)→脇町IC→(県道193・192・438・439)→名頃駐車場(到着7:55) 所要時間:3時間10分
コース
駐車場(8:10)→登山口(8:45)→ダケモミの丘(9:45)→三嶺山頂(11:05)→西熊山(12:25)→
→お亀岩(12:55)→西熊山(13:20)→三嶺(14:50)→ダケモミの丘(15:45)→登山口(16:25)→駐車場(16:55)
駐車場から三嶺池へ
朝8時10分、名頃駐車場を出発。 沢沿いの林道を暫く歩くが、やがて山道となる。 平尾谷登山口からは、谷を離れ緩急のある登山道を登っていく。 道は比較的整備されている。 「紅葉している木がないと面白くないなぁ」とカメラの被写体を探している夫。 「このあたりで紅葉してたら、山頂はすっかり終わってるでしょ。」「そりゃそうだ」 相変わらず、二人して何か面白いものはないかとキョロキョロ探しながら、そして他愛もないお喋りをしながら歩いている。
ブナ林を登りきると、ウラジロモミの広がるダケモミの丘にでる。 ここからは尾根道を辿る。 1600mくらいから木々の紅葉も彩りを増し、目を楽しませてくれた。
途中、ピンクの実を付けたタヌキのかんざし(マユミの木)が目を引く。 「タヌキのかんざしって面白いネーミングだね。 キツネのかんざしはないのかなぁ」 調べてみたら、彼岸花を「キツネのかんざし」と呼ぶようだ。
樹林帯を抜けると、視界が広がりガレ場に差し掛かる。 見上げる先には、鮮やかに彩られた紅葉が目に留まる。 先ほど見たタヌキのかんざしも数本あった。 先行の登山者も夫もカメラを撮るのに余念がない。 「うわぁ、きれい」感嘆の声を上げながらも、滑りそうなガレ場を慎重に歩く。 ガレ場を出て急登を少し上っていくと、山頂の池のほとりに着いた。
三嶺山頂
頂上に立つと、360度の展望と天狗塚へのびるたおやかな笹尾根が望まれる。 あと一週間もすると、コメツツジの紅葉が笹原をものの見事に染め抜くだろう。
休憩しながら、高知側から登ってきた人と暫し山談義。 徳島県の人はこの山を「ミウネ」と呼ぶが、高知県では「サンレイ」と呼ぶようだ。 「高知の人と話をする時は気を使って“サンレイ”と呼んでください」と、冗談とも本気とも取れる話をされていた。
西熊山へ
四国随一と言われる天狗塚までのびるこの素晴らしい稜線を歩いてみたいが、天狗塚まで行く、時間も体力もない。 だが、まだ11時。 「西熊山まででも行ってみよう」ということで、歩き始める。 予想よりも起伏が激しいが、雄大な景色や山々の紅葉を眺めながらの稜線歩きは、なんとも爽快である。 途中の岩でおにぎりを頬張りながら贅沢な時間を過ごす。 私達は、いつもコンビニのおにぎりだが、この素晴らしい景観がなによりのご馳走である。 だが、ゆっくりする余裕もないので、再び笹の稜線を歩き始める。 三嶺から一時間ほど歩くと、西熊山に到着した。
お亀岩へ
西熊山頂で休んでいると鞍部にお亀岩が見えた。 そこからの景色が見たくて下りてみたが、谷筋の色づきは疎らで、見頃は一週間後のようだ。
駐車場への戻り道
すぐにもと来た道を登り返す。 さすがに、体力は消耗し、三嶺までの道のりが長く感じられた。 山頂に辿りついた時には、3時近くになっていた。 登山者の姿はもうない。 私達もそそくさと下山した。
三嶺は季節を変えて登りたい山の一つだが、道路事情が悪くて頻繁には登れそうにない。 だが、考えてみると、アクセスが困難だからこそ、手付かずの自然が残っていて人々を魅了し続けるのだろう。 “山歩きに不便はつきもの”と、利便性を追い求める自分に言い聞かせている。
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