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山ちゃんの晴れたらいいね2008/8/13

【番外編】 剣山からの帰り道

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 剣山からは時間に余裕もあるので、祖谷渓経由で帰ることにした。 見の越から「日本三大酷道」と揶揄されるR439を通って、まずは二重かずら橋に向かう。 R439は通称「ヨサク国道」(語呂合わせ)。“祖谷(いや)になる酷道”なんて言う人もいる狭隘国道である。 5~6年前になるが、紀伊半島を代表するR425を走ったことがある。(これも三大酷道のひとつ)十津川村から龍神村にかけてのルートは、狭路のうえ断崖区間も多く「落ちたら死ぬ」転落死亡事故多発路線。 対向車があると、とにかく悲惨。 断崖絶壁を横目に何度もバックを余儀なくされ、まさに命がけの通行だった。 あのルートに比べれば、断崖区間がない分まだ走り易いといえるかもしれない。


奥祖谷二重かずら橋

 そんな曲がりくねった悪路を、見の越から20分くらい走ると二重かずら橋に着いた。

 ここの二重かずら橋は、「男橋女橋」「夫婦橋」とも呼ばれ、約800年前平家一族が剣山、平家の馬場の訓練に通うため架設されたと言われている。 西祖谷のかずら橋を5~6年前に、夫に笑われながらへっぴり腰で渡った記憶がある。 ここのかずら橋は一方通行ではないので何度でも通行でき、西祖谷のものより橋幅が狭く、渡り易い。

野猿
 近くには自力で引っ張って渡る野猿もあり、河原では子供達が水遊びに興じている。 歴史と自然と懐かしさを秘めた奥祖谷。 訪れる観光客も少なく、秘境気分を十分味わうことができた。




案山子の里  奥祖谷のかずら橋を出て暫く走ると、山奥なのに村人がいっぱい。 いえいえ、ここは徳島の新名所「案山子の里」。 畑で草むしりをする人、道案内をする人、木の上、縁側にもいる。 以前、NHKで放送された「はなわ君」は、バス停でバス待ちをしていた。 かかしと呼ぶにはあまりにも人間的で表情豊かである。




案山子の里

 一瞬村人だと勘違いして走り去ってしまうかもしれないが、村おこしとしてはユニークなアイデアだ。 “村人達”に挨拶をして、最終目的地、祖谷渓に向かう。 依然として小刻みなカーブが何処までも続く。 私達はいつから“酷道・険道マニア”になったのだろう。 今までにも全国各地の隘路を走ってきた。 運転の苦手な私なら神経をすり減らしてしまうであろう道を、夫は平然と運転し続けている。 隣でだんだん気分が悪くなってきた。


祖谷渓の小便小僧


 案山子の里から一時間余、漸く祖谷渓の小便小僧に到着した。 祖谷渓はV字型に深く切り込んだ渓谷で、数十~数百メートルの断崖絶壁が20Kに渡って続いている。 かつて地元の子供達が度胸だめしをしたという逸話に因んで作られた小便小僧。 立ち竦んでしまうような高さ200mの断崖にある。 写真を撮るだけでも怖いのに、こんなところで果して小便ができるのか疑問は残るが(笑)、近くには温泉もあり、秋の全山紅葉は絶景と聞く。




 このストレスの溜まる悪路には辟易したが、道路が整備されてしまえば、秘境ではなく単なる観光地になってしまう。 すでに西祖谷のかずら橋は、前回来た時とは打って変わって観光地化されてしまっている。 祖谷は次世代に残していきたい秘境ではあるが、アクセスや地域住民にとっての生活道として考えれば、道路整備が急がれる。 今、自然との共存が難しいところに来ているのかもしれない。




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