(写真や地図はクリックすると拡大します) 番外編へ 一覧へ 戻る 花の頁
「生きた化石」と呼ばれる古代遺存植物・キレンゲショウマ。 高山植物園でも見ることはできるが、一度自生地を訪ねてみたいと思い、剣山をめざした。
神戸を朝6時過ぎに出発し、一路徳島へ。 美馬ICからR438号を南下して見の越に向かう。 R438は拡幅工事が進んでいるところもあったが、道幅が狭く対向車との離合が困難な所が多い。 スキー場の近辺は国道とは名ばかりの林道状態。 山間部特有の勾配の強いヘアピンカーブも多く、途中車酔いしたのか、小休止している車も数台見られた。 そんな悪路と悪戦苦闘しながら9時半頃、無事見の越に着いた。
お盆休みにもかかわらず、観光客は思いのほか少なかった。 剣山を舞台にした小説「天涯の花」のモデルになって以来、キレンゲショウマのファンが急増し、毎年この季節、花見ラッシュが繰り返されてると聞いていたが、ガソリン価格高騰の煽りか、観光バスすら見あたらない。 お陰でゆっくり廻ることができた。 駐車場からはリフト乗り場に直行。
昨年坐骨神経痛に見舞われてからというもの、山歩きといっても徘徊に近い。 どうすれば楽して高い山に登れるか、そんなことをいつも考えている。 見の越から西島へはリフトで15分。 西島からは尾根道コースをとり、刀掛の松に向かう。 キレンゲのお花畑のある行場へは、この季節一方通行になっている。
深山の谷筋を好み、うつむきかげんに咲くキレンゲショウマ。 レモン色がなんとも可愛い♪ 近年鹿の食害により数を減らしていると聞く。 各所で鹿よけネットが張られていた。 行場でキレンゲを堪能して、次の目的地一の森へ向かった。 途中のお花畑を楽しみにしていたが、カニコウモリやテンニンソウなどのありふれた花ばかりで、興味をそそられる花は何処にも咲いていなかった。 少し残念に思いながら足を進め、殉難碑で小休止。 一の森山頂は、ガスがかかって眺望が期待できない。
小雨も降ってきたので、一の森を諦め剣山の山頂を目指すことにした。 途中アップダウンはあるが、道が整備されているので歩き易い。 頂上ヒュッテで昼食を済ませ、歩いて5分程で山頂へ。
山頂は「ツルギ」という名には似合わず、なだらかな山容でササ原が広がっていた。 一帯は植生回復のため木道が設置されている。
山頂では、晴れていれば360度の大パノラマを楽しむ事ができるが、残念ながら東面はガスに覆われていて、半パノラマ状態だった。 暫く待ったがガスは晴れず、西面の景観を楽しんだ後、遊歩道コースを辿り下山した。 道端にはシコクブシの群落が見られたが、まだ蕾状態だった。
剣山の遊歩道はよく整備され、ハイキング気分で気軽に登ることができる。 各所での眺望も美しく、何よりも日帰り登山ができることが有り難かった。
|