(写真や地図はクリックすると拡大します) 一覧へ 戻る 登山ルート地図
低山ながら滝、奇岩、石仏などの見所が多く、変化に富んだ稜線歩きが楽しめる金勝(こんぜ)アルプス。 岩峰からの景観も素晴らしいと聞く。 歩き納めの山としては少し物足りないかもしれないが、“琵琶湖を望むパノラマを楽しんでこよう”と言うことになった。
だが、朝からトラブル続きでなかなか出発できない。
スタッドレスタイヤに履き替えたばかりなのに、前日、前輪がパンクしているのが見つかった。 軽自動車もあるが、給油や走行を考えると普通車の方が断然楽。 意を決して夫が元のノーマルタイヤに50分ほどかけて履き替えてくれた。 これで安心と思いきや、いざ出発の段になって今度は車のキーが見つからないという。 家の中を右往左往している夫を見兼ねて一緒に探し始める。 キーはすぐに見つかったが、次はナビの設定に梃子摺る。 いつも前日に設定しておこうと思いながら忘れてる私のミスでもあるが、今回の山域は普段歩かないエリアなので分かりにくい。 地図を広げながらなんとか目的地を設定。
朝からすったもんだした挙句漸く出発と相成った。
マイカーアクセス
自宅(出発 8:20) → (阪高北神戸線・中国道・名神道) → 草津田上IC →
→ (県道2) → 近江湖南アルプス 自然休養林「治山の森」駐車場(到着 9:50) 所要時間:1時間30分
上桐生の駐車場に車を停め、出発。 もう10時で、かなり出遅れてるというのに夫はのんびり構えている。 低山とはいえ一応山である。 私は時間に余裕を持って歩きたいので夫を放って歩き始める。 でもすぐに追いつかれるのが我が家のパターン^^
コース
駐車場(10:00) → 落ヶ滝(10:25) → 北峰縦走路分岐(10:55) → 鶏冠山(11:15) → 北峰縦走路分岐(11:30) →
→ 天狗岩(12:10-35) → 耳岩(12:50) → 白石峰(13:00) → 竜王山(13:20) →
→ 狛坂磨崖仏(13:55) → 逆さ観音(14:35) → 「治山の森」(14:40-55) → 駐車場(15:05)
駐車場から落ヶ滝へ
登山口から平坦な道を暫く歩き、道標に従って右へ進むとやがて自然林の沢筋の道となる。 “今日は、駐車場に停めてた車も少ないので静かな山歩きができるだろう”と思ったのも束の間、団体さんに出くわしてしまった。 皆さん、お喋りに夢中になってなかなか後続者に気づいてくれない。 お口の回転は頗る良さそうだが、足の回転が伴っていない。 スローペースに付き合わされイライラ感が増すが、多勢に無勢、「道を譲ってください」とも言えず追従するしかない。 暫く歩くとリーダーらしき方が声を掛けてくださり、落ヶ滝の分岐を過ぎて漸く追い越すことが出来た。
分岐から5分ほど歩くと滝が突然現れる。 大岩の間を落下する落差のある滝は、スケールの大きさを感じるが、水量が少ないので、一見の価値があるかどうかは疑問符が残るところだろうか。
落ヶ滝から北峰縦走路分岐へ
滝より上部は通行止めになっているため、道標まで引き返し、北峰縦走路分岐を目指して歩き始める。 やっと本格的な登りになったところで、なんと小雨が降り出した。 今日は朝からついてない日だ(;´д` ) ザックから、渋々小雨用のレインポンチョを取り出して着る。 山に雨はつきもの。 そのうち止むだろうと、気を取り直して出発。
このあたりは岩場が多い。 お天気が良ければさほど問題ないだろうが、雨の日は滑って恐ろしい。 以前は鎖やロープのある岩場では心配そうに見守ってくれていた夫だが、この頃は振り向いてもくれなくなった。 私が慣れてきたのですっかり安心してるのか、それとも愛情が薄れてしまったのか^^ 30年も経つとこんなものなのだろうか。 私も年をとって僻みが強くなったようだ^^
北峰縦走路分岐から鶏冠山へ
分岐からは、左に折れ、鶏冠山を目指す。 ここからは急坂だが、人影もまばらで静かな山歩きができる。 気がつくと雨もすっかり止んで、青空も見えてきた。 このルート、ツツジの木とイワカガミが多く、春には楽しい山歩きができることだろう。
それにしても、鶏冠山(けいかんざん、とさかやま)の名前の由来ってどこから来たのだろう。 何回か上り下りを繰り返した最後のピークが山頂なので、それを形容したのだろうか。 トサカのイメージを勝手に解釈しながら歩く。
山頂は狭く、北側が少し開けてはいるものの、展望はもう一つだった。
鶏冠山から天狗岩へ
来た道を道標のところまで戻り、今度は竜王山を目指す。 ここからはなだらかで眺望の良い尾根道となる。 奇岩や巨岩があちこちに点在していて面白い。 ビューポイントが続くので、楽しい歩きができる。
歩いていると、先ほどの団体さんにまたもや遭遇。 展望のいい場所を占拠するだけでなくそこから溢れた人達が、登山道で弁当を広げている。 なかには弁当だけでなく足まで広げてる人もいた。 どうしても固まって食べなければいけないものだろうか。 大人なのだから、分散しても良さそうなものだが・・。 とにかく、登山道を塞ぐのは勘弁願いたい。 ルートを塞がれると正規のルートが分からなくなるからだ。 「ここ登山道ですよね」と、ちょっと嫌味も込めて訪ねてみると、移動される人もいたが、「はい」と返事するだけで一向に動こうとしない人もいる。 挙句の果てに「跨いで歩いてください」と言う。 ちょっと呆れたが、我慢我慢、もう慣れっこになっている。
いろいろな事情があって団体行動をとっているのだろうから、それを否定はしないが、他のハイカーにもう少し心配りが必要ではないだろうか。 ビギナーの方は自分のことで精一杯で、周りを見る余裕がないのかもしれない。 リーダーさんは、山に登る前に最低限のマナーを教えてあげて欲しいものである。
稜線を歩き進むと花崗岩の白い巨岩、天狗岩に辿りついた。 左から巻くように登っていくと、大きなテラス岩に立つことができる。 草津市街、琵琶湖、湖南アルプスが一望でき、コース中で最も景色のいいところである。 大パノラマを満喫しながら昼食を摂ることにした。 もう少し青空が欲しいとこだが、これ以上の贅沢は言うまい。 暫し至福の時に浸って、最終目的地竜王山に向かう。
天狗岩から白石峰へ
天狗岩から急坂を登ると耳岩に出る。 西側に展望台があり、そこでも一服。 低山なのでのんびり歩ける。
白石峰へ竜王山往復
縦走の起点となる白石峰、可愛いらしい茶沸観音を経由し、急坂を登りきると竜王山に到着した。 ここも鶏冠山同様、展望が開けてるとは言いがたく、面白みはない。 すぐに下山を開始し、白石峰に戻る。
白石峰へ下山
白石峠からは樹林帯の道を下る。 沢沿いの急な道を歩き進むと、大岩に彫られた三尊の見事な狛坂魔崖仏に出る。 中央の三尊像は、奈良時代に渡来系石工の作ったものと言われている。 ここからは穏やかな下りとなり、広い林道歩きとなる。 途中、コースを少し離れ、「さかさ観音三尊石仏」に立ち寄った。 この石仏、以前はもう少し上部にあったようだが、石を採掘したときに倒れ落ちて逆さになったというから面白い。 その後、分岐を右にとってしまい、15分のタイムロスをしたが、なんとか予定の時間内に駐車場に到着することが出来た。
アルプスの名のとおり、花崗岩の岩峰があちこちに点在し、変化に富んだ稜線歩きを楽しむことができた。 今まで登った低山のなかでは、一番満足のいく山歩きだった。 来年はどの山に登ろうかな。
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